神奈川県では、CAD製図コース・CADオペレーター養成科の職業訓練は、ポリテクセンター関東(神奈川県横浜市旭区南希望が丘78番地)で、「CAD・NC加工科」・「実践CAD/CAM技術科」・「機械CAD設計科」・「住宅リフォーム技術科」の実施があります。
神奈川県のCAD製図コース・CADオペレーター養成科の職業訓練
CAD・NC加工科
様々な機械をつくる基礎となる機械加工に必要な知識・技能・技術を、実習(実践)を通し習得します。また、様々な機械をつくる基となる機械製図や2次元CADの知識・技能・技術についても、実習(実践)を通し習得します。
実践CAD/CAM技術科
「ものづくり」に必要な設計から加工までの要素を習得します。前半は、機械製図、及びCADについて学びます。後半は、加工の基本やNC工作機械の操作・プログラミングを学びます。総合課題では、プラスチック金型を企画・設計・製作し、プラスチック製品を成形します。
機械CAD設計科
はじめの1か月は、JIS機械製図に基づく『図面の読み方』『図面の描き方』を学びます。その後、2か月間でAutoCAD(2次元CAD)/SolidWorks(3次元CAD)の操作を学び、4か月目以降は、それまでの3か月間で学んだことをベースに総合課題演習に取り組みます。
住宅リフォーム技術科
建築設計に必要な知識を習得後に住宅設計・プレゼンテーションを行います。施工図作成から始まる実習では、新築及びリフォーム計画・施工をします。設計から施工まで実務の流れに沿った訓練で、効果的な知識・技能の習得を目指します。
ポリテクセンター関東(横浜市旭区)
ポリテクセンター関東(神奈川県横浜市)では、公共職業訓練ならではの機械系、電気・電子系、居住系など「ものづくり分野」の14コースがあり、充実した就職支援で、各業界へ毎年500名を超える修了生を輩出しています。
未経験者でも安心。基本的な知識・技能から学べ、実技を重視した実践的なカリキュラム。「わかる」から「できる」へ導き、グループワークやチーム課題への取組で、社会人としてのヒューマンスキルもアップします。
住所:〒241-0824 横浜市旭区南希望が丘78番地
TEL:045-391-2818
URL: https://www3.jeed.go.jp/kanagawa/poly/
CAD設計・CADオペレーターの仕事と資格
CADとは、Computer Aided Design(コンピュータ支援設計)の略語です。広い意味としては、今まで人の手で行われていた設計作業をコンピュータの利用で効率的に行うこと、あるいはそのための支援ツールということになります。
実際の現場では、「紙に鉛筆で描いていた2次元の図面をコンピュータ内で作図する2次元CAD」、「木を削ったり粘土で造型していた3次元の立体をコンピュータ内でモデリングする3次元CAD」のように、作図やモデリングに使用するツール自体を指していることがほとんどです。
2次元CAD・3次元CAD
企業の現場では業務に合わせて様々なCADが利用されています。大きく分類すれば「2次元CAD」と「3次元CAD」になりますが、複数のCADを混在させている企業も多くあります。どのようなCADであっても、基本的な考え方や操作方法は似ていますので、どれかひとつのCADに精通すれば、他のCADの習得はそれほど難しくないでしょう。
2次元CAD
設計・製図ツールとしては「手描き図面」→「2次元CAD」→「3次元CAD」と移行して来ましたが、図面だけで十分に用が足りる業界では、まだまだ2次元CADが製図ツールとして使われています。手描きの製図作業をコンピュータに置き換えただけなので、習得はそれほど難しくありません。ただし、需要があるとはいえ、今では特別な技能ではありませんので、オペレータとしての付加価値は低くなりがちです。
主な2次元CADとしては、Auto CAD、Micro CADAM、Jw_cad、Vectorworksなど、その他有償から無償まで多数あります。
3次元CAD
自動車・家電・機械業界などの大手企業では、多くが3次元CADに移行しています。ただ、その利用実態には差があるようです。導入はしたものの、うまく使えていないという話を聞くこともあります。2次元CADに比べると、立体データを作成する操作コマンドが増えるので、習得しにくいというのも理由のひとつになっているようです。そのため、3次元CADで立体モデルを作成する作業(モデリング)を専任者に任せている企業も少なくありません。オペレータの需要は2次元CADよりも多く、技能も要求されるため、付加価値も少し高めになるようです。
主な3次元CADとしては、CATIA、Creo Parametric、NX、Solid Edge、SOLIDWORKSなど、その他有償から無償まで多数あります。
CADオペレーターの資格
CAD利用技術者試験
広く知られるCADの試験。2級と1級があります。トレース、建築、機会とそれぞれ試験が分かれていて試験を選ぶことができます。
建築CAD検定試験
1993年に誕生した日本初の建築CADの資格試験。建築用図面をCADを使って描く技量を測る試験であり、実践型の実技試験です。級は準1級・2級・3級・4級の4つです。
オートデスク認定資格プログラム
オートデスク社のAutoCAD/AutoCAD LTを利用し、主に製図業務に従事しているCADオペレーター(実務経験1年未満)を対象とした試験。基本的な知識と作図業務の能力が必要とされます。
Vectorworks操作技能ベーシック認定試験
Vectorworks販売元のエーアンドエー株式会社が主催し実施する操作技能認定試験。Vectorworksは建築設計、住宅、インテリア関連を強みとするCADソフトとして知られています。
CADトレース技能審査
平成29年度後期の試験をもって終了。
神奈川県の職業訓練コース(募集時期と入校時期)
神奈川県の職業訓練は、横浜市を中心に、厚木・平塚・小田原などでも一部開講しています。申し込みは住所地を管轄するハローワーク職業相談窓口ですが、通学ができるのであればどのエリアの訓練コースにも応募可能です。(県外のコースに応募することもできます。)
ものづくり系のコースは、県立の職業訓練校(神奈川県立職業技術校かなテクカレッジ)では、4月生(10月から募集)と10月生(7月から募集)となり、独立行政法人の職業訓練校(ポリテクセンター関東)が、2ヶ月前から募集が始まり、1ヶ月前に選考があります。
公共職業訓練(神奈川県立職業技術校かなテクカレッジ東部・西部)の募集
かなテクカレッジでは、4月生(10月から募集)と10月生(7月から募集)があります。
4月生の募集は、若年者(24歳以下)・高校推薦枠募集(10月)、4月生1期(11月)、4月生2期(1月)の募集があります。
また、4月生1期・2期の募集には、「特定世代(就職氷河期世代)優先枠」「ひとり親家庭優先枠」などの優先選考もありますので、該当する方は応募の際に確認してください。
かなテクカレッジ東部(東部総合職業技術校)、かなテクカレッジ西部(西部総合職業技術校)ともに同じ募集スケジュールです。オープンキャンパス(要予約・先着順)や体験入校(要予約・先着順)は、それぞれ実施しています。
公共職業訓練(横浜市中央職業訓練校)の募集
横浜市中央職業訓練校では、4月生(3月後半募集)、5月生(4月前半募集)、7月生(6月前半募集)、9月生(7月後半募集)、10月生(8月下旬募集)、12月生(10月下旬募集)、1月生(12月前半募集)があります。募集期間は2週間ほどです。申込み期間中に、見学会もありますので、見学会にも参加しましょう。
公共職業訓練(ポリテクセンター関東)の募集
ポリテクセンター関東(神奈川県横浜市旭区)では、2ヶ月ほど前から募集を開始し、1ヶ月前ぐらいに選考があります。申込み期間中に、説明会もありますので、説明会にも参加しましょう。
神奈川県の職業訓練校(民間委託校と公立職業訓練校)
【施設内職業訓練】神奈川県・横浜の職業訓練では、県立の職業訓練校が2施設、独立行政法人運営のポリテクセンターが1施設あり、電気設備・金属加工・自動車整備など、ものづくり関係の職業訓練はそれらの施設内訓練で実施されています。また、横浜市立の職業訓練校もあり、こちらでは介護・医療事務・WEBデザイン・プログラミングなどの時代の変化や社会情勢のニーズに対応した職業訓練を実施しています。
【委託職業訓練】また、神奈川県東部総合職業技術校二俣川支所では、介護、経理事務、IT、WEBデザインなどの訓練を民間教育機関に委託して実施しています。【長期人材育成訓練】介護士・保育士養成が多い2年間の長期高度人材育成訓練では、ホテルブライダル観光学科や国際ビジネス学科(貿易・航空ビジネスコース)などサービス・商業分野も充実しています。
【求職者支援訓練】参考までに、神奈川労働局(厚生労働省)では、雇用保険を受給できない方を主な対象とした「求職者支援訓練」(民間教育機関)を開講しています。ただ、自治体規模の割には神奈川の「求職者支援訓練」は少なめです。