職業訓練は、新しい仕事を始めたい方や、これから仕事を探そうという方が、業務に必要な知識・スキルを身に付けられるよう様々なコースが用意されています。職業訓練は、都道府県立の職業訓練校や、独立行政法人運営の職業訓練校、民間の教育機関への委託などで実施され、全国で年間30万人ほどが受講しています。職業訓練の申込み等はハローワークで行います。
全国で年間30万人ほどが職業訓練を受講
施設内職業訓練
各都道府県には、公立の職業訓練校や、独立行政法人運営のポリテクセンターがあり、電気設備・金属加工など、ものづくり関係の職業訓練はそれらの施設内訓練で実施されています。
委託職業訓練
各都道府県では、それぞれの地域で介護、経理事務、IT、WEBデザインなどの訓練を民間教育機関に委託して実施しています。また、2年間の長期高度人材育成訓練では、介護福祉士養成科・保育士養成科、また美容師、栄養士、調理師養成科なども実施しています。
求職者支援訓練
各都道府県の労働局(厚生労働省)では、雇用保険を受給できない方を主な対象とした「求職者支援訓練」(民間教育機関)を介護、医療事務、WEBデザインなどの分野を中心に実施しています。
職業訓練の主なコース
基礎
ビジネスパソコン科、オフィスワーク科など
IT
WEBアプリ開発科、Android/JAVAプログラマ育成科など
営業・販売・事務
OA経理事務科、営業販売科など
医療事務
医療・介護事務科、調剤事務科など
介護福祉
介護職員初任者研修科、介護職員実務者研修科など
デザイン
広告・DTPクリエーター科、WEBデザイナー科など
その他
3次元CAD活用科、ネイリスト養成科など
職業訓練の受講までの流れ
職業訓練の申込み、相談、問い合わせは、ハローワークで受け付けています。
住所地を管轄するハローワークにお問い合わせください。
1. 受講相談
ハローワークの受付で、「訓練の相談を受けたい」とお伝えください。
ハローワークで制度の説明があります。
2. 訓練コースの選択
ハローワークで職業相談を受けながら、訓練コースを選択します。
3. 訓練受講の申し込み
ハローワークで、受講の申し込みをします。
4. 訓練実施機関による選考
訓練実施機関で、選考(面接、筆記など)があります。
5. 訓練の受講あっせん
訓練実施機関の選考の合格後、ハローワークから訓練の受講をあっせん(指示)があります。
6. 訓練受講開始
訓練受講中から訓練終了後3カ月間、原則として月に1回、ハローワークに来所し、職業相談を受けます。ハローワークの就職活動サポートがあります。
職業訓練を受講期間に失業手当を受給中の方は、月1回の来所日が「失業の認定日」にもなり、同時に手続きを行うことが多いです。
職業訓練と雇用保険(基本手当・受講手当・通所手当)
基本手当とは
雇用保険の被保険者の方が離職し、失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、1日も早く再就職するために支給されるものです。雇用保険の一般被保険者に対する求職者給付の基本手当の所定給付日数(基本手当の支給を受けることができる日数)は、受給資格に係る離職の日における年齢、雇用保険の被保険者であった期間及び離職の理由などによって決定され、90日~360日の間でそれぞれ決められます。
受給期間の延長とは
失業保険をもらっている期間中にハローワークから紹介され公共職業訓練を受講すると失業保険(雇用保険)の受給期間は延長されます。原則として所定給付期間日数の2/3の受給日数を受け終わるまでに訓練を開始しないと訓練給付延長は受けられません
この訓練延長給付は、以下の3つの期間に適用されます。
- 公共職業訓練などを受けるために待機している期間
- 公共職業訓練などを受講している期間(最長で2年)
- 公共職業訓練などの終了後に再就職が困難な期間(最長30日)
公共職業訓練は3カ月、6カ月のコースが多く設定されていますが、若年層向けのコースには1年または2年間受講するコースも開設されています。この制度を上手に利用すると、本来の所定給付日数が90日しかない人も元の日数に加えて公共職業訓練を受給する期間分だけ支給日数が延長されることになります。
受講手当とは
受講手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合に支給されます。支給の対象となるのは、基本手当の支給の対象となる日のうち公共職業訓練等を受けた日です。
受講手当の日額は500円です。受講手当の上限額は20,000円です。
通所手当とは
通所手当は、受給資格者の住所又は居所から公共職業訓練等を行う施設へ通所するために交通機関、自動車等を利用する場合に支給されます。
通所手当の月額は通所方法によりますが、最高42,500円までです。
支給対象にならない日がある月については日割により減額して支給されます。