愛知県では、CAD製図コース・CADオペレーター養成科の職業訓練は、ポリテクセンター中部(愛知県小牧市下末1636-2)で、「住宅診断CADプランナー科」・「CADメカニカルデザイン科」・「CAD/NC技術科」・「ものづくりサポート科」の実施があります。
愛知県のCAD製図コース・CADオペレーター養成科の職業訓練
住宅診断CADプランナー科
「良い木造住宅とは何か?何で決まるか?」をテーマに、「診断」をキーワードに答えを導き出すコースです。木造住宅(主に在来軸組構法)の診断等に必要な構造や法令を理解し、CADによる建築図面が描ける技術、施工法やプランニング手法を理解し、耐震診断と補強法及び劣化診断法等を用いた建物診断等の技術が習得できます。
CADメカニカルデザイン科
DX(デジタルトランスフォーメーション)につながるデジタル技術に対応した訓練コースとなります。
自動車・家電・日用品等の工業製品、及びそれらの生産に必要な金型・生産設備の設計者をサポートする人材を育成するコースです。2次元CADによる図面作成・3次元CADを中心としたデジタルモデリング・各種力学や技術計算・工業デザインの理解・製品企画から試作品作成までの総合的な技術を習得します。特に3次元CADについては高い能力が身につきます。
CAD/NC技術科
ものづくりに対応できる人材(CADオペレータ・NCオペレータ等)を育成するコースです。訓練内容は、前半3カ月で「機械製図」、「2次元CAD」、「3次元CAD」を習得し、後半3カ月で「NC旋盤」や「マシニングセンタ」のプログラムの作成や操作方法を習得します。
ものづくりサポート科
機械系の製造現場をサポートする人材を育成するコースです。総務・経理実務、機械製図の知識と2次元CADによる機械図面の作成に関して基本的な技能と知識を習得します。
(CADに関する内容が他科と比較して少ないため、フルタイムでCAD関連の就職を目指す方はCADメカニカルデザイン科およびCAD/NC技術科をオススメします。)
ポリテクセンター中部(小牧市下末)
ポリテクセンター中部(愛知県)では、求職者の方(主に雇用保険を受給されている方)を対象に、地域企業の人材ニーズに即した訓練カリキュラムによるものづくり分野に関する専門的技能・知識を習得するための6か月~7か月の職業訓練を行っています。 求職者の方は、就職に必要な実践的技能・知識について、基礎から応用まで学ぶことができます。
住所:〒485-0825 愛知県小牧市下末1636-2
TEL:0568-79-0511
URL: https://www3.jeed.go.jp/aichi/poly/
CAD設計・CADオペレーターの仕事と資格
CADとは、Computer Aided Design(コンピュータ支援設計)の略語です。広い意味としては、今まで人の手で行われていた設計作業をコンピュータの利用で効率的に行うこと、あるいはそのための支援ツールということになります。
実際の現場では、「紙に鉛筆で描いていた2次元の図面をコンピュータ内で作図する2次元CAD」、「木を削ったり粘土で造型していた3次元の立体をコンピュータ内でモデリングする3次元CAD」のように、作図やモデリングに使用するツール自体を指していることがほとんどです。
2次元CAD・3次元CAD
企業の現場では業務に合わせて様々なCADが利用されています。大きく分類すれば「2次元CAD」と「3次元CAD」になりますが、複数のCADを混在させている企業も多くあります。どのようなCADであっても、基本的な考え方や操作方法は似ていますので、どれかひとつのCADに精通すれば、他のCADの習得はそれほど難しくないでしょう。
2次元CAD
設計・製図ツールとしては「手描き図面」→「2次元CAD」→「3次元CAD」と移行して来ましたが、図面だけで十分に用が足りる業界では、まだまだ2次元CADが製図ツールとして使われています。手描きの製図作業をコンピュータに置き換えただけなので、習得はそれほど難しくありません。ただし、需要があるとはいえ、今では特別な技能ではありませんので、オペレータとしての付加価値は低くなりがちです。
主な2次元CADとしては、Auto CAD、Micro CADAM、Jw_cad、Vectorworksなど、その他有償から無償まで多数あります。
3次元CAD
自動車・家電・機械業界などの大手企業では、多くが3次元CADに移行しています。ただ、その利用実態には差があるようです。導入はしたものの、うまく使えていないという話を聞くこともあります。2次元CADに比べると、立体データを作成する操作コマンドが増えるので、習得しにくいというのも理由のひとつになっているようです。そのため、3次元CADで立体モデルを作成する作業(モデリング)を専任者に任せている企業も少なくありません。オペレータの需要は2次元CADよりも多く、技能も要求されるため、付加価値も少し高めになるようです。
主な3次元CADとしては、CATIA、Creo Parametric、NX、Solid Edge、SOLIDWORKSなど、その他有償から無償まで多数あります。
CADオペレーターの資格
CAD利用技術者試験
広く知られるCADの試験。2級と1級があります。トレース、建築、機会とそれぞれ試験が分かれていて試験を選ぶことができます。
建築CAD検定試験
1993年に誕生した日本初の建築CADの資格試験。建築用図面をCADを使って描く技量を測る試験であり、実践型の実技試験です。級は準1級・2級・3級・4級の4つです。
オートデスク認定資格プログラム
オートデスク社のAutoCAD/AutoCAD LTを利用し、主に製図業務に従事しているCADオペレーター(実務経験1年未満)を対象とした試験。基本的な知識と作図業務の能力が必要とされます。
Vectorworks操作技能ベーシック認定試験
Vectorworks販売元のエーアンドエー株式会社が主催し実施する操作技能認定試験。Vectorworksは建築設計、住宅、インテリア関連を強みとするCADソフトとして知られています。
CADトレース技能審査
平成29年度後期の試験をもって終了。
愛知県の職業訓練コース(募集時期と入校時期)
愛知県の職業訓練は、名古屋市を中心に、豊橋・岡崎・刈谷・春日井・新城などでも一部開講しています。申し込みは住所地を管轄するハローワーク職業相談窓口ですが、通学ができるのであればどのエリアの訓練コースにも応募可能です。(県外のコースに応募することもできます。)
ものづくり系のコースは、県立の職業訓練校(愛知県立高等技術専門校)では、4月入校(10月前後・12月・1月の募集)と10月入校(7月前後の募集)のコースとなり、名古屋高等技術専門校窯業校は4月入校(1月前後の募集)のとなります。独立行政法人の職業訓練校(ポリテクセンター中部)が、2ヶ月前から募集が始まり、1ヶ月前に選考があります。
公共職業訓練(愛知県立名古屋高等技術専門校など)の募集
愛知県立名古屋高等技術専門校などでは、4月入校(10月前後・12月・1月の募集)と10月入校(7月前後の募集)のコースとなります。名古屋高等技術専門校窯業校は4月入校(1月前後の募集)のみです。
東三河校(2年コース)の4月入校普通課程(34歳以下中卒程度)は第1回(9月中旬から10月中旬)・第2回(12月)の募集となり、名古屋校(1・2年コース)・岡崎校(2年コース)の4月入校普通課程(34歳以下高卒程度)は第1回(9月中旬から10月中旬)・第2回(1月)の募集となります。
1年・6ヶ月コースの4月入校短期課程(求職者・新卒者)の募集は、1月になります。
名古屋高等技術専門校の金属加工科とインテリア科、東三河高等技術専門校建築総合科の住宅インテリアコースと住宅エクステリアコース、岡崎高等技術専門校の3Dモデリング科の10月入校生の募集期間は、7月から8月で、選考日は9月です。
公共職業訓練(ポリテクセンター中部)の募集
ポリテクセンター中部(愛知県小牧市)では、2ヶ月ほど前から募集を開始し、1ヶ月前ぐらいに選考があります。申込み期間中に、説明会もありますので、説明会にも参加しましょう。
愛知県の職業訓練校(民間委託校と公立職業訓練校)
【施設内職業訓練】愛知県・名古屋の職業訓練では、県立の職業訓練校が4施設、独立行政法人運営のポリテクセンターが2施設あり、電気設備・金属加工など、ものづくり関係の職業訓練はそれらの施設内訓練で実施されています。( 愛知県立名古屋高等技術専門校窯業校は、陶磁器のまち瀬戸で、陶磁器の製造やデザインの技能及び関連する基礎的な知識を付与し、陶磁器産業の明日を担う人材を育成しています。また、ポリテクセンター名古屋港では、クレーン運転科と物流機械運転科といった港湾地域ならではの訓練科があります。)
【委託職業訓練】愛知県立の職業訓練校では、名古屋・岡崎・東三河と各地域で、介護、経理事務、IT、WEBデザインなどの訓練を民間教育機関に委託して実施しています。ただ、県内の交通の便も良いので、名古屋で実施される訓練が大半になります。【長期人材育成訓練】2年間の長期高度人材育成訓練も名古屋高等技術専門校が、介護福祉士資格取得を目標にした「介護福祉士養成科」と保育士資格取得を目標にした「保育士養成科」の2科10コースを委託して実施しています。
【求職者支援訓練】愛知労働局(厚生労働省)では、雇用保険を受給できない方を主な対象とした「求職者支援訓練」(民間教育機関)も充実させており、主に名古屋市内でネイリスト養成科やWEBデザイナー科など、幅広い分野で定期的に開講され、通勤圏である岐阜や三重から通う受講生も受け入れています。